焼酎よもやま話
世界から見た焼酎「JAPANESE SPIRITS」
今回は「日本での焼酎」ではなく、「世界から見た焼酎」とは、どんな存在なのか。
焼酎や日本酒は、日本の國酒(こくしゅ)として、日本を代表するお酒です。
もちろん、日本人にとってはどちらも身近なお酒で、広く知られておりますが、世界の人からすると、まだまだ焼酎や日本酒の存在というのは知られていない部分が多くあります。
近年では、日本酒は「JAPANESE SAKE」として、食事との相性の良さなどの観点から、世界の食通の中では知られる存在となってきていますが、焼酎は、まだまだその存在自体が認知されていません。
世界の蒸留酒というと、何が浮かんでくるでしょうか。
代表的なところでは
「ウイスキー」「ブランデー」「ウォッカ」「テキーラ」「ジン」「ラム」など。
他にも
「カルヴァドス」「グラッパ」「白酒」「ピスコ」「アクアヴィット」「メスカル」などなど・・・。
こうした世界の蒸留酒と、焼酎を比較することで、焼酎の意外な一面が見えてきます。
アルコール度数から見る
1つめの特徴として焼酎は、世界の中の蒸留酒としてはアルコール度数が「低い」ということが挙げられます。
先に挙げた世界の蒸留酒の多くが、アルコール度数40度以上で飲まれています。
それに対して焼酎は25度が一般的。
焼酎のアルコール度数を「低い」と思うことは、あまりありません。
むしろ、日本で飲むお酒の中ではアルコール度数が「高い」方ですよね。
これは、世界の蒸留酒の多くは、蒸留回数が2~3回が主流なのに対して、本格焼酎は1回のみ。
本格焼酎は単式蒸留で1回しか蒸留を行わない分、芋焼酎で、原酒のアルコール度数が36~38度前後となります。
しかし、蒸留回数が少ないということは、それだけ原材料が持つ個性を残し、その風味を色濃く感じられる酒である、という言い方もできます。
原料から見る
次に、世界の蒸留酒の原料ですが
・ウイスキー=小麦、ライ麦、トウモロコシ、大麦麦芽など
・ブランデー=ブドウ、リンゴなど
・ウォッカ=穀物類
・テキーラ=アガベ
・ジン=大麦など+ジュニパーベリー等の薬草類
・ラム=サトウキビ
で造られています。
焼酎は芋、麦、米を中心にソバ、シソ、酒粕など、多数の原料で造ることができ、それぞれに異なる風味を持っています。
このように、一種のお酒で、多様な原料の味わいを楽しむことができるのは、世界から見ても非常に珍しいことと言えます。
これに関しては、蒸留回数が1回である=個性が残りやすい。
という特徴があるからこそ、本格焼酎は多くの種類の原材料が使われるようになったと考えられます。
飲み方・飲むシーンから見る
さらに、飲み方ですが、世界の蒸留酒の多くはストレートやロックが多いですが、カクテルとして様々なもので割ったり、混ぜたりしても飲まれています。
焼酎も同様に、ロックや、最近では炭酸割りでも飲まれますが、水割りやお湯割りで割って飲まれることも多いお酒です。ストレートで飲む方は、どちらかというと少ない傾向にあります。
中でもお湯割りについては、ホットウイスキーなど、焼酎以外のお酒でも、飲まれないわけではないですが、日常的にお湯割りを飲むのは、珍しいと言えるかもしれません。
さらには、それを食事と一緒に楽しむ「食中酒」であること。
これは、特に焼酎に対して言える、非常に特徴的な点です。
通常、世界の蒸留酒は、バーやパブなどでお酒単体として楽しむスタイルが一般的です。
食事中に飲むお酒は、ビールやワインといった醸造酒が選ばれます。
焼酎はお湯割りや水割りなど、割ることで、食事中に飲みやすいアルコール度数に調整してから飲まれます。
つまり、焼酎は、「食中酒として楽しむ蒸留酒」であるという非常に珍しい特徴があるのです。
最近はハイボールがあるので、蒸留酒の一つであるウイスキーも食事中に飲まれるようになりましたが、食中酒としての役割が主な蒸留酒は世界でも、焼酎くらいではないでしょうか。
世界からの視点で見てみると、焼酎の意外な一面が見えたのではないでしょうか?
現在、焼酎の世界的な知名度は、まだまだ高くないと書きましたが、バーでカクテルの素材として焼酎を扱う取り組みや、先に書いた「食中酒として楽しむ蒸留酒」として、ワイングラスで焼酎の水割りを飲んだりと、焼酎を世界に向けて発信する取り組みも各方面で行われています。
こうした取り組みが広がっていくことで、近い将来、日本の國酒である焼酎を旅行先の海外で飲む、なんていう日が来るかもしれません。





